この記事は(検証可能)な(参考文献や出典)が全く示されていないか、不十分です。(2014年6月) |
噛ませ犬[1][2] / 咬ませ犬[1][2] / かませ犬(かませいぬ)とは、原義および第1義には、闘犬において、訓練したい犬に噛み付かせて自信を付けさせる引き立て役として宛がわれる弱い犬のこと[1]。そういった日本語表現であり、第2義には、原義から転じて、勝負事において引き立て役として対戦させる弱い相手[1]や、主役を引き立てるために一方的に負ける役目の者[2]をいう。
概説
若い闘犬には、まず弱い犬をあてがい、その犬を十分に噛ませることで勝つ味を教える。しかし若い犬は戦い方がわからず、うまく噛めないこともあるため、そういう場合には弱い犬の口を縛ったりする例もあるという。往々にして、闘犬を引退した老犬がかませ犬として使われる。
ここから転じて、スポーツ・格闘技において選手やチームの調整のためや華々しい勝利を観客に見せ付けるために、意図的に対戦させる実力の劣る相手や、フィクション作品において主人公または強大な敵役の強さを見せ付けるためのやられ役を指すようになった。映画『ロッキー』におけるチャンピオンのアポロ・クリードに対するロッキー・バルボアのような立場が想定される。
似て非なる言葉
アンダードッグ
英語には "underdog" という語があり、これを仮名音写した外来語「アンダードッグ」が日本でも通用しているが、「噛ませ犬」の同義語のように用いるのは間違いである。
「噛ませ犬」は、原義の「犬」であれ転義の「人」であれ「負ける役回りに就かされた者」に対する呼称であるが、"underdog" は、「負けてしまった者」(※既に決着している)や「必ずや負けるに違いないと予想される者」(※決着していない)に対する呼称であって、「負けることを想定して仕立てられた者」とは決定的に違う。
"underdog" は、文字どおりには「劣った犬」を意味するが、「喧嘩/闘いで打ちのめされた犬[6](負け犬)[7] 」「弱い犬[7] 」という直接的語意で1887年に初出した[8]後、そこから転じて、「人生などの生存競争における敗残者[9][7] (負け犬[9][10])」、「勝ち筋の見えない不利な立場にある者[9][11][7][10]」(例:旧約聖書において、最強の巨漢兵士ゴリアテとの決闘に挑む若輩の戦士ダビデの、戦前の立場。ドラマにおいて、大手企業と競合して淘汰されようとする零細企業。当選するとは到底思えない選挙立候補者〈泡沫候補者〉。)、「社会的不正あるいは政治的不正の犠牲者[7]、(社会的不正による)弱者[9]」などを意味するようになった語である。異なる視点から同じものを表して結果的の同義で用いることはあろうが、日本語「噛ませ犬」の同義語とは言えない。
当て馬
ダークホース
負け犬
魚腩部隊
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d kb泉.
- ^ a b c EBWeb 広辞苑.
- ^ 例として、ABEMA「配信版『アンダードッグ』で森山未來、北村匠海、勝地涼らが魅せる」『PR TIMES』株式会社 PR TIMES、2021年1月13日。2023年1月12日閲覧。「タイトルである“アンダードッグ”とは、ボクシング界で“かませ犬”を意味する言葉で、」
- ^ 例として、2020年の日本映画『(アンダードッグ)』公式ウェブサイトの解説より抜粋、「そこからはずれた今も〝かませ犬(=アンダードッグ)〟としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々をおくる崖っぷちボクサー・末永晃(森山未來)。」
- ^ 例えば、Yahoo!知恵袋などのでの回答。
- ^ OED, "the beaten dog in a fight,".
- ^ a b c d e kb underdog.
- ^ OED.
- ^ a b c d 英辞郎 underdog.
- ^ a b kb泉 アンダードッグ効果.
- ^ Brit underdog.
参考文献
- 小学館『デジタル大辞泉』. “噛ませ犬”. コトバンク. 2023年1月12日閲覧。
- 岩波書店『広辞苑』. “かませ‐いぬ【噛ませ犬・咬ませ犬】”. 広辞苑無料検索. EBWeb. 2023年1月12日閲覧。
- “underdog” (英語). Online Etymology Dictionary. 2023年1月12日閲覧。※オンライン・エティモロジー・ディクショナリー。
- “underdog” (英語). Encyclopedia Britannica. Encyclopædia Britannica, Inc.. 2023年1月12日閲覧。※ブリタニカ百科事典。
- “underdog”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2023年1月12日閲覧。
- 小学館『プログレッシブ英和中辞典』第5版. “underdog”. コトバンク. 2023年1月12日閲覧。
- 小学館『デジタル大辞泉』. “アンダードッグ効果”. コトバンク. 2023年1月12日閲覧。
関連項目
- ジョブ (プロレス)
- 戸川幸夫 - かませ犬にかかわる小説をいくつか書いている。
- 鉄ワン・アンダードッグ - アメリカン・コミックス『アンダードッグ』を原作とした映画。
外部リンク
- “「アンダードッグ」の意味を知りた~い!”. やさしい英語辞典. 2023年1月12日閲覧。